<平成21年度全日本卓球選手権、斎藤選手と水谷選手>(2010/02/12)

水谷隼選手がシングルス、ダブルスで優勝しました。


2冠を取るだけでも凄いことなのに、なんと4連覇です!


4年連続の単複2冠は82~85年度の斎藤清選手以来2人目の快挙です。


その斎藤選手は、全日本のシングルスで通算101勝目を挙げました。


今年度の全日本も色々な記録が生まれましたが、
この記録が一番の話題だと私は思います。




・・・・・

斎藤清選手と言えば、1983年に東京で開かれた世界選手権で
シングルスベスト8に入った日本卓球の元エースです。


確かその時に斎藤選手に勝ったのが、今の中国の監督の蔡振華選手です。


当時はシェークの両面同色OKで、ボディハイドサービスも
ルール違反ではありませんでした。


ボディハイドサービスとは身体でサービスのインパクトを隠すサービスの
事で、レシーバーからすればインパクトの瞬間が見えないので回転の変化が
分かりにくいのです。


その魔球サービスと躍動するバワードライブで、蔡選手は一世を風靡しま
した。


しかし、その直後にルール改正があり、両面異色、ボディハイドサービスの
禁止、サービス時の足音の禁止となりました。


想像を絶するトレーニングをして世界のトップに躍り出た蔡選手でしたが、
その強さが目立ち過ぎたのか、ルール改正の影響で選手生命が絶たれた様な
形で第一線から退いていきました。


時代に翻弄された選手の一人と言えるのではないでしょうか。




まあ、蔡選手のことはこれくらいにして、    ←長い、前フリ!(笑)
斎藤選手はとにかく「強かった」のです。


当時、国内ではほとんど無敵だったと記憶しています。
全日本の上位を狙う選手はみんな「打倒斎藤選手」を目標にしていたハズ。


それほど斎藤選手は強かったのでス。


全日本選手権の決勝の解説者も「彼(斎藤選手)は全日本での勝ち方を
知っているね」と言っていました。


そんな斎藤選手にも悩みがありました。


国内でそれほど強いと、当然「世界でも活躍して欲しい」と期待がかかる
ワケです。相当のプレッシャーがあったと思います。


確か、当時の卓球レポートに斎藤選手の苦悩が書かれていました。


「日本で勝ち世界でも勝てと言うが、両立する卓球をすることは難しい。
日本では打点を落としてでも確実に繋ぐ卓球をすれば勝てる。しかし
世界で勝つには、高いリスクを伴ってでも前陣で打点を落とさず勝負し
なくてはならない」


つまり、日本で通用する卓球をやっていては世界で勝てないし、
世界で勝つ卓球を国内でやっていると日本で負ける可能性もある、
という矛盾を抱えていたのです。


フォア偏重のペンフォルダードライブ型は、攻めている時は良いが、
一旦守勢に回るとバックからの反撃がないために非常に苦しい展開に
なるのです。このタイプの構造的な弱さと言えるでしょう。  ← 重要!


この頃の世界の潮流は、中国ヨーロッパを中心に前陣で両ハンドで戦う、
よりスピーディな卓球だったのです。それは今も変わりません。
打点を落とすことは相手に付け入るスキを与えることに繋がるのでス。


自分より若い選手が引退していく中で、推薦枠から全日本選手権に
出場し続け、勝つことを余儀なくされた斎藤選手にとっての101勝は、
長く辛い道程だったに違いありません。


「自分の楽しみだけに卓球が出来たら、どんなにいいだろう!」
と思うことも多々あったのではないでしょうか。


47歳。全日本では4連覇を含んで8回優勝。
妻よし子さん(元全日本チャンピオン)は昨年7回忌だったそうです。


全日本初勝利から30年間戦い続けた斎藤選手は、全日本出場は今大会
限りにする意向を示しています。その胸中や、いかに。




・・・・・

一方の水谷選手は、準決勝の張一博選手(中国出身)に苦戦しましたが、
決勝ではストレートで吉田選手を破り、4連覇を果たしました。


世界でも十分通用するフォアの変化サービス、左利き独特の広角打法、
フォアからもバックからも攻撃できる幅の広さ、前陣でも中陣でも後陣でも
戦えるオールラウンドプレー、多彩なレシーブ。


彼のプレーを観ていると、彼なら中国選手と対等に戦えるのではないか、
いや勝てるのではないかと期待を持ってしまいます。(^^;


水谷選手のプレーぶりには、当時の斎藤選手が抱えていた矛盾も見当たらず
最初から「世界で勝てる卓球」を目指している様に見えます。
そういう意味で頼もしいです。


斎藤選手が打ち立てた金字塔も、彼なら難なくクリアしちゃうかも、です。


水谷選手、これからも頑張れ!!  (^o^)/~



2010.06.12 00:00 | Comments(0) | Trackback(0)


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