よく表彰状にある文章に
「栄光をたたえる」
というのがあります。
この意味について、考えてみたンです。
大学の同級生にSという友人がいました。
なぜかOBUの友人は、さ行の名前の友人が多く、イニシャルはSが多いのです。
そんなことは、どうでも良いのですが。(笑)
Sとは同じ関西出身ということもあり、妙に私とウマが合いました。
初めて会った印象は、
「コイツは卓球には向いていないナ・・」
というものでした。
一言で言うと、太り過ぎだったのです。
卓球に必要な「俊敏性」という観点からすると、彼は明らかに卓球には不向きでした。
しかし、見かけによらず筋肉質で腕っぷしが強く、パワーがありました。
重量挙げや柔道などの方が向いているのでは?と思われたくらいでした。
ですから、ループドライブは結構威力がありました。
あ、ループドライブというのはですねー。
えーと、回転量の多い山なりのドライブのことです。
ドライブは前進回転を打つ打法のことですね。
でも、Sの長所と言えば、それくらいでした。
卓球の試合は、サービス・レシーブの小技から入りますので、
彼の得意な大技は試合で活かされることが少なかったのです。
Sは、やはりレギュラーにはなれず、いつも控えの選手で、ベンチを温めていました。
大学の中の対外試合で、最も小さなローカルの大会でさえ、彼は1~2回戦で負けていました。
・・・・・
私が社会人になって1年目のある日、夜中にSより電話がありました。
当時Sは、まだ学生でした。
え? Sは同級生ではなかったの?
そう思われる方、あまり細かい事にはこだわらない様にしましょうね。(^^;
Sは大学生活で少し寄り道をしたために、5年生になっていたのです。
「OBU、俺はやったぞ!」
それが電話の第一声でした。
「どうしたんや、こんな夜中に。」
眠いから勘弁してくれ、そんな気持ちで私は答えました。
「俺な、ベスト8に入ってン!」
「なに~!?」
よくよく聞くと、いつも1、2回戦で負けていた最も小さなローカルの
大会で、シングルスでベスト8に入ったとのことでした。
ベスト4決定の準々決勝でも、フルセットのジュースにもつれ込む
大接戦で、非常に惜しい内容だった様です。
「あそこで、俺の幻のバックハンドが入っていればなー。
3位に入れたかも知れんのにな!」
「ぬぁ~にが、幻のバックハンドや!!」
電話越しに二人で大笑いして、電話を切りました。
・・・・・
電話の後、私は無性に酒が飲みたくなりました。
6畳1間の狭い部屋で一人、深夜にひっそりとSの祝杯を挙げたのです。
「あのSがな・・・」
学生時代の色々なことを思い出していると、なぜか涙が溢れてきました。
きっと酔いが回ったのだと思います。(照)
思えば、大学対抗戦で私の試合を、最も一生懸命応援してくれたのは、紛れも無くS本人でした。
ベンチを振り返れば、いつも必死になって応援してくれるSの姿がありました。
Sは太っているので、イヤでも目に付いたのです。(笑)
「コイツの前で、(自滅するような)恥ずかしい試合はできない。」
そう思いながら、よく自分を奮い立たせていたモンです。
苦しい試合を逆転できたのも、Sの応援があったからこそなンです。
高校時代に県の代表クラスの選手が、大学で活躍する。
これはこれで立派なことなのですが、ある意味、当たり前のことです。
卓球は中学時代の経験しかないSが、コツコツと地味な練習を繰り返し、
学生時代の最後の最後で見事に花を咲かせたのです。
「栄光をたたえる」
この言葉は、そんなSにぴったりだとOBUは思うのです。
大学時代で最も“伸びた”選手だったからです。
シャキーン!(←効果音)
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OBU’S EYE ★彡
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冷静にSの勝因を考えてみました。
「ツッツキ技術の向上」
これだと思います。
当時、Sはよくツッツキの練習をしていました。
ツッツキとは、台上もしくは台の近くでカット(下回転)をかける技術のことです。
だんだん技術が向上し、切るツッツキを覚えていったのだと思います。
「ツッツキがええ感じや」と自分でも言っていたし。(笑)
Sはループドライブなど大技は、元々得意でした。
サーブ・レシーブなどの小技が苦手だったので、いつも相手のサーブで
崩されてしまい、彼の長所が活かされていませんでした。
それが切れたツッツキを覚えることにより、相手に簡単に攻め込まれなく
なったのだと思われます。さらにツッツキ合いは、全体のラリーを
ゆっくりさせる効果があり、彼の動きの鈍さをカバーしたのだと思います。
ツッツキ合い ⇒ ラリー速度の鈍化 ⇒ 得意のループドライブへ
こんな構図があったのでしょう。
では、今号のまとめです。
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1.切れたツッツキは、相手に容易に攻め込まれない、また、
ラリーの速度を遅くする効果がある。
2.複数の技術を上手に組合わせることにより、得点し易くなる。
3.卓球に不向きかどうかは、最後までやってみないと分からない。
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