<好きこそものの上手なれ>(2005/03/18)

初心者の方がどんな時に「卓球って、おもしろいなー」と感じると思います?

私の経験では、以下でした。
   1.ラリーが続くようになったとき
   2.スマッシュを打って決まったとき
   3.「取れない」と思ったボールが取れたとき

自己紹介でも書きましたが、会社で卓球同好会に入ったとき、周りは
みんな初心者(未経験者)か初級者(かじったことのある程度)でした。

私は経験者でしたので、実力差は明白でした。

ですので、本気でやるのは差があり過ぎるし、そうかと言って手を抜くと、
それは見え見えでかえって失礼だと思い、結構悩んでいました。

悩んだ挙句、出した結論は、
  1.つなぎ役に徹し、よっぽどのチャンスボールしか強打しない。
  2.本気モードで打ってきた人には、こちらも本気で返す。
  3.みんなに楽しんでもらいながら、自分も楽しむ。
でした。

一口に初心者・初級者と言っても、技術のレベルや、どんな時に面白いと
感じるかは、人それぞれでした。

しかし、私はメンバ全員に卓球を楽しんでもらいたかったのです。

ですから自分の持っている技術で、そのアシストが出来ないかと考えたのです。


・・・・・
ある日、Hさんという女性が仲間に誘われて卓球場に顔を出すように
なりました。新入社員です。最初は勝手が分かりません。

でも1週間もすると、他のメンバがそうだったように、同好会の雰囲気や
ダブルスしかしないローカルルールなど分かってきて、次第に馴染んで
来ました。

緊張気味だった彼女も、キャーキャー言って卓球のラリーを楽しむ様になりました。

私はうるさいのは嫌いですが、若い女性の黄色い声なら許せますネ。(笑)

彼女はバックショートが上手でした。

面白いもので、初心者の人は、フォアハンドが得意な人と
バックハンド(ショート)が得意な人の2つに分かれるみたいです。
そしてフォアが得意な人はバックが苦手で、バックが得意な人は
フォアが苦手だという傾向があるのです。

おそらく、その人が卓球に入っていきやすい技術、というものが
あるのだと思われます。それが人によって違うと。
グリップやスタンスも関係しているのだと思いますが。

ただ私OBUの経験では、不思議とバックハンド(ショート)から入る人が多かったです。
聞いてみると「こっちの方が簡単だから」という回答でした。

30日間練習プログラムでも、基本編でショートから説明しているのは、
この経験がベースになっているからです。固定的な考えでなく、
入りやすい技術からスタートすれば良い。これが私の考えです。

話がそれましたが、Hさんはショートが得意でフォアが苦手でした。

ですので私は、彼女のペアと対戦したときは、彼女のバックへ8割、
フォアへ2割くらいの割合で配球しました。バックへは普通のドライブ
ボールを送り、フォアへは超スローボールを送りました。

当然、1球のラリーが長く続きます。

ただそれだけでは面白くないので、ゲームの後半では彼女のバックへ
少し強めのボールを送ったり、同じバックでも少し彼女が動かないと
取れないコースへ送ったりと、変化をつけるようにしました。

私にとっては、それがボールコントロール(強弱、コース)の練習になったのです。
これはこれで楽しい作業でした。

彼女にとって見れば「ちょっと頑張れば取れる」ので、キャーキャー言いながら、
ショートで打ち返してきました。
元々得意な技術なので幅を広げるのは苦もなかったのでしょう。

そんなある日、卓球を始めて数ヶ月経った頃でしょうか、ついにHさんは
あるメンバのスマッシュをショートで打ち返してしまったのです。
当然、カウンターで得点になりました。

「私って、スゴイかもぉ!キャハハハハ!」

周囲でプレーしていた皆も、一瞬手を止めて、思わず笑ってしまいました。


心から楽しそうにしているHさんは、周りで見ている人にまで、楽しい気分にさせてくれます。(^^)
彼女のファンである男性会員まで増えました。(笑)

半年もすると、彼女のファインプレーは、2日に一度くらいの割合で見られる様になりました。
その頃には周囲から「上手くなったね」と 声を掛けられるし、
彼女自身も卓球に対して興味と自信を持ったのだと思います。

苦手だったフォアハンドも少しずつ上達し、見よう見真似でスマッシュまで打つようになったのです。
「生意気な~!」とみんなにからかわれていました。(^^)

Hさんは、もう完全に卓球同好会の常連になりました。

彼女は決して公式試合に出るレベルではありません。
しかし、レクリエーションとして楽しむのなら充分過ぎるレベルに達したのです。

あれから10年経った今では、みんな散り散りになってしまい、それぞれ
別の人生を歩んでいます。

しかし、Hさんの
  「私って、スゴイかもぉ!キャハハハハ!」
という声は、OBUは今でもはっきり覚えています。


   シャキーン!(←効果音)
//-------------------/
    OBU’S EYE ★彡
/-------------------//
Hさんのケースは、初心者が上手になっていく典型的な成功例です。

プロセスをおさらいすると、
  1.最初に自分の得意な技術でラリーを続ける楽しさを知った。
  2.自分の得意な技術を中心に技術の幅を拡げて行った。
  3.周囲に「上手になった」と言われ、自分でもそれを実感し、自信と興味を深めて行った。

別に私が押し付けたワケでもなく、彼女自身が卓球を好きになり、
自らの意思で上達して行ったのです。

まさに「好きこそものの上手なれ」です。

「私って、スゴイかもぉ!」

そう思える瞬間が、卓球上達の最も楽しい瞬間なのです。

最初は単なる「まぐれ」です。
でも、その確率が少しずつ上がることによって、それは「本物」に変わるのです。

今なら言えます。
Hさん、あなたは本当に「スゴイ」のです。

何故って、全くの初心者が半年間であんなに成長したのを
私は、かつて見た事がありませんでしたから。

・・・・・
指導者って、上から教える教師的な立場ではなく、その人の才能を
引き出す、単なるアシスト役なのかも知れませんね。(^^;

 

 

 

 

 

2010.05.29 00:00 | Comments(0) | Trackback(0)


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