<錯虚効果 友人Yの剣道>(2005/03/10)

友人Yの大学時代のエピソードをお話します。(^^)
Yは、宮城県の大学に進学しました。

もともとスポーツ万能な彼は、陸上競技が専門だったのですが、
その運動神経が見込まれて、ある日剣道部の助っ人に呼ばれたのでした。

なんと怪我で欠員が出たので、試合(団体戦)に出てほしいとのこと。

試合まで約1ヶ月。練習している時間はあまりありません。

Yは最初は断ったのですが、剣道部の友人の、
  「頼む、Y。俺たちを救ってくれ。
   俺がお前の練習相手になって、一通り教えるから!」
という強い要望で、しぶしぶ承諾したのでした。

「やるからには勝ちたい ・・・」

負けず嫌いの性格のYは、友人相手に猛練習を開始しました。
Yは剣道の基本を習得しながら、ある秘策を練っていたのです。


・・・・・
そして1ヵ月後。いよいよ試合当日です。

   「経験の浅い俺が勝つためには、後手に回っては絶対にダメだ。
    とにかく先手をとって攻め続けるしかチャンスはない。」

   「チャンスは一度っきりだ。もしこの秘策が破られたら、
    俺は勝ち目が無い。この秘策に賭けるんだ。」

Yはそう思いながら、自分の出番を待ちました。


試合開始。

Yは、気合と共に猛然と攻め始めました。

 「こてぇ!めぇん!こてぇ!めぇん!こてぇ~!めぇ~ん!」

相手はYの気迫の攻撃に、一瞬たじろいだものの、Yの攻撃をことごとく跳ね返します。

  「こてぇ!めぇん!こてぇ!めぇん!こてぇ~!めぇ~ん!」


  「休むな!攻め続けろ!」Yは自分に言い聞かせていました。


  「こてぇ!めぇん!こてぇ!めぇん!こてぇ!めぇん!
   こてぇ!めぇん!こてぇ!めぇん!こてぇ!めぇん!
   こてぇ!めぇん!こてぇ!めぇん!こてぇ~!めぇ~ん!」

試合中盤にさしかかりました。
それでもYは手を緩めようとしません。

  「こてぇ!めぇん!こてぇ!めぇん!こてぇ!めぇん!
   こてぇ!めぇん!こてぇ!めぇん!こてぇ!めぇん!
   こてぇ!めぇん!こてぇ!めぇん!こてぇ~!めぇ~ん!」

さすがのYも息が上がってきましたが、気力を振り絞って
休まず攻め続けました。「もう少しだ。頑張るんだ!」

  「こてぇ!めぇん!こてぇ!めぇん!こてぇ!めぇん!
   こてぇ!めぇん!こてぇ!めぇん!こてぇ!めぇん!
   こてぇ!めぇん!こてぇ!めぇん!こてぇ~!めぇ~ん!」

Yのワンパターンな攻撃は、今では相手に完全に読まれてしまい、
簡単にさばかれ始めました。
   「このままではジリ貧だ。じきに反撃をくらってやられてしまう!」
応援している味方もハラハラし出しました。

   「こてぇ!めぇん!こてぇ!めぇん!こてぇ!・・・」



・・・・ 次の瞬間。誰もが目を見張りました。



閃光     ・・・  のように。



   「どぅおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ~!!!!」



相手は完全に「面を受ける」体制で、脇がやや甘かったのでした。

その一瞬のスキをついた、Yの見事な「胴、一本勝ち」です!

Yの1勝が物を言い、Yの大学は団体戦に勝つことが出来ました。
剣道部の仲間からYが絶賛されたのは、言うまでもありません。
なにせ剣道初心者が、相手校のポイントゲッターを負かしたのですから。


・・・・・
  「まあ、初対面の相手に1回しか通用しない作戦なんやけどな。」
   と、Yは当時を振り返って、私に話してくれました。

  そんなYは、今では中学の体育の教師で、陸上競技の指導者として頑張っています。

   結構、中学駅伝で実績を上げていて、有名らしいです。
   もちろん「本人の弁では」という注釈が付きますが。(笑)


   シャキーン!(←効果音)
//-------------------/
   OBU’S EYE ★彡
/-------------------//
前号を読んだあなたは、もうお分かりですね!

Yの、相手に攻める時間を与えないほどの「籠手、面」連続攻撃は、
最後の胴の一撃のための布石だったのです。

相手にすれば「籠手と面しか攻撃が来ない」と、完全に刷り込まれてしまっていたのです。

こういうのを「錯虚効果」と言います。「魁!男塾」というマンガで学びました。(笑)

前号の「なんちゃってサーブ」に、通じるものがありますよね!(^^)
対人スポーツは、こういう駆け引きが存在するのです。(^^)

作戦を練り、一点集中すれば、実力上位の相手にも勝てるのです。

試合全体の作戦を立て、それを実行して勝つべくして勝つ。
相手をこちらの作戦にまんまとハメる。

これも、スポーツの醍醐味の一つですネ!(^^)

2010.05.28 00:00 | Comments(0) | Trackback(0)


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