<競った局面での積極的な戦い方とは その1>(2006/10/23)

75号「日に日に新たなり」で、私が大事な局面で消極的な戦い方をして、
結局敗れてしまった、というお話をしました。

それに対して、読者さんから質問のお便りを頂きました。

> OBU様
>
> 初めまして、K本申します。
> いつも楽しく読まさしていただいてます。

(中略)

> さて1つ質問があります。
>
> セット2-1でリード、4セット目8-6でサーブ権が回ってきた
> ところで消極的になって負けたとの事、8-6こちらがサーブ良くある
> 場面ですね。ここが1番の勝負所ですね。
>
> では積極的とはどのような戦い方になるのですか?
> それがいまいち解りません。
>
> よく言われますけど、実際にはコーチなどが言うだけなので
> どうすればいいのかその生徒には言っているのを聞いたことが余りあり
> ません。
>
> たとえば下切のサーブを出して相手につっつかして3球目をドライブ
> (クロスは弱気、ストレートは強気?)したら強気なのでしょうか?
>
> 打っていこうとしても低く返ってきたので、これは打つのは無理(と判断
> し)こちらも突っつきで返したら相手に打たれてしまいました。
>
> これを見ていた人が、弱気になって突っつきで返すから駄目だ、あそこは
> 3球目を先に打てとアドバイスするのはいいのですか?
>
> 積極的な気持ちでも、このボールを打つのは冒険だと判断したら突っつき
> ますよね、このボールを打つのは無謀やけくその1打になりますよね?
> この戦い方は粘りのない一発屋になりますね、まあこの場合はついている
> 人(コーチ)がその試合を見極めていないので力量不足ですけど・・・。
>
> 私の思っていることをうまく言葉にできませんが、OBUさんが弱気に
> なって8-6からどのようなサーブを出して、そのボールがどこに戻って
> きてどう返球したのか、また強気にせめるのであればどのようなサーブを
> 出してどう戦うのか詳しく詳しく教えてください。
>
> ここの戦い方を一番知りたいのです。
>
> 相手により戦い方は違うでしょうが「弱気と強気の違い」がいまいち
> わかりません。よろしくお願いします。

これは、ものすごーく、いい質問ですよ、K本さん!
おそらく読者さんの中で、同じ疑問を感じている人が沢山いると思います。

まず、K本さんの質問の前半の部分、

> たとえば下切のサーブを出して相手につっつかして3球目をドライブ
> (クロスは弱気、ストレートは強気?)したら強気なのでしょうか?
>
> 打っていこうとしても低く返ってきたので、これは打つのは無理(と判断
> し)こちらも突っつきで返したら相手に打たれてしまいました。
>
> これを見ていた人が、弱気になって突っつきで返すから駄目だ、あそこは
> 3球目を先に打てとアドバイスするのはいいのですか?
>
> 積極的な気持ちでも、このボールを打つのは冒険だと判断したら突っつき
> ますよね、このボールを打つのは無謀やけくその1打になりますよね?
> この戦い方は粘りのない一発屋になりますね、まあこの場合はついている
> 人(コーチ)がその試合を見極めていないので力量不足ですけど・・・。

について、私の見解を述べますね。

3球目を先にドライブを掛ける(仕掛ける)という意味では、強気であり
積極的な戦い方であると言えます。

低く返ってきて強打のドライブが無理ならば、ループドライブ(スピードは
ないが強い前進回転がかかった山なりのドライブ)という手があります。

ドライブマン同士の対決では、先にドライブをかけた方が有利になる
可能性が高いと聞いたことがあります。先手が取れるからだと思います。

スピードは無くても充分に回転の掛かったボールは、それだけでも立派な攻撃球です。

しかし、 ・・・・・ (ここからが大事!)

このボールを打つとミスになる(確率が高い)と判断した時に、
それでも打っていく、というのは、K本さんの言う通り、

「無謀やけくその1打」

です。

これは、蛮勇と言うヤツで、真の勇気ではありません。

3球目をドライブで狙うためには、3球目にドライブを掛け易い様な
レシーブを返させる工夫が必要です。

ネット際のショートサーブは、レシーブが短く返球される可能性もあり、
3球目をドライブで狙えません。

そうかと言って、長いサービスを出してしまうとレシーブから相手に
打たれる可能性もあります。

ですので、台上で2バウンドするかしないかの長さでサービスを出します。

こうすればレシーブも台から少し出るくらいの長さになり、
3球目をドライブで狙い易くなります。

よく卓球レポートなどで「台上で2バウンドするかしないかの長さ」
サービスを出すことが重要だと言われるのは、このためです。

全ては「先手を取るため」なンですね。

レシーブを低く返されて、こちらがドライブを掛けられない時点で、
先手は相手側に移り、こちらは後手になります。

相手が「ナイスレシーブ」をしてきたのですから、それは相手を褒める
べきで、こちらはしっかり繋いで、次球に備えるべきです。

3球目ドライブを打てなかった時点で「今は後手になった」と、
さっさと頭を切り替えて、後手は後手なりの戦い方をすれば良いのです。

そのラリーをなんとか凌ぎながら、巻き返しを狙えば良いのです。
上手く行けば、先手が取り返せるかも知れませんよ!

おっと、私の定義を述べるのを忘れていました。(苦笑)

先手:自分主導のラリーのこと。有利な展開。
後手:相手主導のラリーのこと。不利な展開。

将棋や囲碁では、最初に先手と後手が決まりますが、卓球ではこの様に
ラリー中に目まぐるしく先手と後手が入れ替わります。


・・・・・
長くなってしまったので、質問の後半部分に対する回答は次号に致します。

いやー、引っ張っちゃってスイマセン! (笑)


  シャキーン!(←効果音)
//-------------------/
   OBU’S EYE ★彡
/-------------------//      
先手と後手の考え方は、今の私の師匠のTさんに教わりました。

Tさんはペンホルダーのドライブ型ですが、剛球で打ち抜くといったタイプ
では決してなく、相手を包み込んで勝つ「柔らかい卓球」をする人です。

台から出たボールに対しても、一見チャンスボールに見えるのですが、
わざと相手のバックにゆっくりしたドライブを掛けたりします。
全く、イヤラシイ卓球をしますね!(笑)

守備に絶対の自信を持つTさんは、そうやって相手に先手を譲るように
見えるのですが、実はそれがTさんの「手」なのです。

相手が喜び勇んで攻めてくると、Tさんの世界にハマってしまうのでス。
Tさんの牙城は、そうカンタンには崩れるものではありません。

相手に攻め込まれている(様に見える)のですが、曲げる・伸びる・
ナックルの3種類のドライブを駆使し、それでいつの間にか得点しているのです。

観ている方は、どちらが攻めてどちらが守っているのか、ワケが分から
なくなります。

そして相手は試合後半になると打ち疲れから、凡ミスを繰り返すように
なり、ずるずると蟻地獄に落ちる様にTさんのペースになっていくのです。

まさにTさんワールド展開の図です。(爆)

そんなT師匠に教わったのですが、ラリー中は常に先手と後手を考えている
そうです。つまり「今のラリーは押しているのか、押されているのか」を
常に考えているのですって。

守りながら攻め、攻めながら守る。攻守一如ってヤツ。

Tさんの卓球は円熟味を増しているのです。  ← いよっ!師匠!


では、今号のまとめです。
☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆
  1.ミスすると分かっていて打つ3球目は、真の勇気ではなく蛮勇である。
  2.打てなかった時点で、さっと頭を切り替えて後手の卓球で戦うべき。
  3.卓球にも先手・後手があり、ラリー中に目まぐるしく変わるものである。
☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆

2010.05.25 00:00 | Comments(0) | Trackback(0)


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