<悲しきカットマン>(2005/10/10)

卓球には色々な戦型があります。

代表的な戦型が、ドライブマン。
今の日本の卓球人口の7割が、この戦型ではないでしょうか。
裏ソフトラバーを使って、主に前進回転(ドライブ)をかける戦型です。

次に多いのが、表ソフト前陣速攻型。これが2割ほどでしょうか。
表ソフトを使用し、前陣で攻めと守りをこなします。
スピードが命の戦型です。

残りの1割を、異質攻撃型とカットマンで占めます。
(この割合は私の感覚的なもので、統計ではありません。 (^^;   )

異質攻撃型とは31号で紹介したツブ高ラバーや、アンチスピンラバーを
使用して対戦相手を翻弄する戦型です。
カットマンとは、テニスで言うスライス、つまり下回転(カット)を
繰り出してひたすら粘る戦型です。守備型ですね。

仮に異質攻撃型との割合を半々とすると、全体の5%しかいない戦型。
それがカットマンです。

・・・・・
その昔、カットマン人口が最も多い時期がありました。

OBUが中学生の頃で、今から27年くらい前です。
あ、年齢がバレますね。(笑) ま、今さらいいんだけど。(^^;

私の憧れの高島規郎選手が、全日本で2連覇した頃です。

当時は1セット21本制で、ラバーも両面同色がOKでした。
全日本チャンピオンの高島さん人気もあって、当時カットマンが大流行しました。

アンチスピンやツブ高を使った、異質ラバー(シェークのラケットに
性質の異なるラバーを貼ること)のカットマンがそのほとんどでした。

両面同色だったので、どちらの面で打球したのかが分かりづらく、
回転の変化だけで簡単に得点できたのです。

ちょっと使い方を覚えれば勝ち易い。ということで中学生を中心に
カットマンの人口比率が大変多かったのです。

試合会場に行ってもカットマンが、ンもう沢山いましたネ。(笑)
体育館には台が沢山並んでいるのですが、どこかの台で必ずカットマンが
試合をしているような状態でした。

・・・・・

でもカットマンが大流行した時代も、そうは長く続きませんでした。

そうです。ルール改正です。

今までに大きなルール改正が3つあって、その度にカットマンが
不利になっていったのでス。ああ、悲しきカットマン! (笑)

1つ目は、両面を異色ルールになったこと。
2つ目は、ボールが大きくなったこと。(38mmから40mmに)
3つ目は、1セット11本制が導入されたこと。

両面異色になったことで、どちらの面で打球したのかが
相手にはっきりと分かる様になりました。
ですので、ラバーの性質だけに頼っていた選手は勝てなくなりました。

このルール改正だけで、カットマンの数が激減しましたね。

ボールが大きくなるとそれだけ空気抵抗が大きくなり、回転が減衰する
のが早くなります。つまり、カットを打球した瞬間は、かなり回転が
かかっていても、相手コートにつく頃には回転量が落ちているのです。

相手にとっては、回転かかっている・いないの差が少なくなり、
カットが打ちやすくなりました。その分カットマンは厳しいワケです。

また一球一球しっかり打球をしてやらないとボールが飛ばない様になり、
台から離れて打球するカットマンには、体力的な負担がさらに増えました。

たったの2mmの差なのですが、卓球は繊細なのでス。(笑)

さらに追い討ちを掛けるように、1セット11本制の導入です。

21本制に比べると短期決戦ですから、持久戦を得意としていた
カットマンには不利なルール改正です。

・・・・・

先日、中学生の初心者カットマンを数人、指導しました。
攻撃型とは別メニューで、3時間ほど練習しましたのですが、
いやー、難しかったです。 (^^;

攻撃型のグループは、フォア打ち・ショート・ツッツキ・フットワークと
どんどん次のステップに進んで行くのに、カットマンは ・・・とほほ。

育成するのに時間がかかり、教える方も忍耐のいる戦型なのですネ。(涙)
カットマンは攻撃型の3倍は練習しろ!って私もよく言われたもンです。

・・・・・

ルール改正の度に不利になり、同じ練習時間を費やしても、なかなか
試合で勝てるようになれない戦型。それがカットマン。

なんて割が合わない戦型なのでしょう! ああ、悲しきカットマン・・・。

そう言えば「悲しきヒットマン」というヤクザ映画がありましたネ。
関係ないけど ・・・。(^^;


シャキーン!(←効果音)
//-------------------/
   OBU’S EYE ★彡
/-------------------//       ← 久しぶり!
OBUもカットマンですが、今号では否定的なことばかり書いてしまいましたねー。 (^^;

でもネ。逆説的な考え方も出来るのです。(ここからが重要デス)

カットマンの数が少ないと言うことは、それだけ希少価値があるワケです。

同じ攻撃型には滅法強い選手が、カットマンにコロッと負けるケースは実はよくあります。

OBUも、強ーい攻撃型を倒したことがあります。
いやー、カットマンにとってはたまりませんな! ←(笑)

本格派のカットマンなら両面異色も問題ないし、40mmボールだって
ラバーの厚みを変えることで対応できます。
11本制だって、それだけ1試合で消耗する体力が節約できると
考えれば、最初から飛ばして行けばいいワケです。

ただ試合で勝てるようになるには、時間がかかります。
これだけは仕方が無いです。

地道な努力を積み重ねて、最後に大きな花を咲かせましょうネ。
あ、これは攻撃型にも言えるのですけど。(^^;

相手の強打を拾いまくる鉄壁の守備力。多彩な変化球と一発逆転の攻撃力。
よく練習を積んできたカットマンの試合は、観る者を感動させますよ!

全国のカットマンの皆さん、みんなで頑張ろう。
そのうちにいい事があるかも知れない。(笑)


では、今号のまとめです。
☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆
  1.カットマン(守備型)はルール改正の度に不利になった。
  2.試合で勝てるようになるのにも時間がかかる。
  3.しかし、よく練習を積んだカットマンの試合は、観る者を感動させる。
☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆

 

 

2010.05.07 00:00 | Comments(2) | Trackback(0)


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